韓日国交正常化60周年の節目を迎えた今秋、記念イベントが両国で数多く開かれている。外務省認定の60周年事業として、両国の絆を可視化するものばかりだ。この流れを未来につなげるには、市民一人ひとりの行動がカギとなる▼両国で開催される60周年記念イベントは、市民交流の大切さを改めて浮き彫りにしている。これらのイベントは、音楽や伝統芸能、食文化やアートを通じて、韓日の市民が直接つながる場を提供している。民間交流を代表するイベント「日韓交流おまつり」が先月27・28日に東京の駒沢公園で開かれたが、こういったイベントで見られる笑顔や対話は、日常の中で小さな種となり、韓日交流はしっかりと根付いていく▼こうしたイベントの意義は、単なる祝賀にとどまらない。市民が顔を合わせて会話することで、互いの価値観や生活を理解する機会が生まれる。ボランティアの若者が身ぶり手ぶりで友情を育み、家族連れが相手国の文化に触れて驚きを共有する瞬間は、心の距離を縮める。私たち一人ひとりが、SNSで一枚の写真をシェアしたり、イベントに参加したりする小さな行動が、大きなうねりとなっていく▼60周年は、過去を振り返るだけのものではなく、未来を築く出発点といえる。市民交流から生まれる小さな出会いは、韓日が協力する基盤を育てる。両国の絆をより強くするために、私たち一人ひとりができることから始めたい。10年後、子どもたちが笑顔で両国の未来を語るためにも、市民の力がもっとも重要だろう。 |