大韓民国国立合唱団は11日に東京、15日に大阪で、「韓日国交正常化60周年記念音楽会」を開いた。韓国最高のプロ合唱団の歌声と、日本を代表する交響楽団の演奏が調和し、聴衆は美しい音色に酔いしれていた。
東京都新宿区の東京オペラシティコンサートホールで11日に開かれた東京公演には約1100人が鑑賞に訪れ、新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏に、韓国国立合唱団が歌声を響かせた。
第1部では、「戦時のミサ」が披露された。1796年作曲のハイドンの代表的な宗教音楽。華やかで荘厳な雰囲気と、繊細な表現力が聴衆を魅了した。休憩を挟んだ第2部では、韓日両国の歌曲を披露。韓国の「青山に生きる」「初恋」「懐かしい金剛山」「川を越えて春が来るように」、日本の「からたちの花」「明日という日が」をそれぞれの言葉で歌い上げて、場内は惜しみない拍手に包まれた。
アンコールでは「アリラン」を披露。途中で指揮者が客席を振り返って促すと、曲に合わせてリズミカルな手拍子が沸き起こり、盛況のうちに演奏会は幕を閉じた。
聴衆を魅了した大韓民国国立合唱団の歌声と新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏=11日、東京都新宿区の東京オペラシティコンサートホール
韓国国立合唱団は、持続的な海外公演を通じて実力と可能性を世界に訴求し、Kクラシックの裾野拡大に寄与することを目指すとともに、音楽関係者との交流を通じた海外進出の機会としている。
同合唱団は、合唱音楽の専門性と芸術性を追求することを目的に1973年に創団。以来、50余年にわたり韓国の合唱音楽発展の中枢的役割を果たしてきた。2000年には文化体育観光部の傘下芸術団体として独立。財団法人として再発足し、毎年4回の定期公演と、60余回のイベントを開催している。
古典から現代音楽、創作音楽に至るまで、膨大なレパートリーを有しており、世界的に有名な合唱曲、韓国歌曲、民謡など、幅広いジャンルの合唱音楽を網羅している。
今回の演奏会について、同合唱団アソシエイト・コンダクターの金在恩氏は、「とてもいい公演だった。韓国を代表する合唱団と日本を代表する交響楽団が、一緒に素晴らしいハーモニーをつくった」と感想を述べた。
日本の聴衆について「曲が終わるたびに温かい拍手が沸き起こり、会場の雰囲気もよく、今回の公演の機会を持つことができてうれしかった。次回を楽しみにしている」と語った。
同合唱団の鞠東南事務局長は「今回の公演を単発ではなく、音楽を通じた文化交流の一環として継続することで、未来の韓日交流進展に貢献したい」としている。
東京公演に続き、15日には大阪市北区のザ・シンフォニーホールで大阪公演が開かれ、大勢の聴衆が豊かな歌声に聴き入っていた。
大韓民国国立合唱団アソシエイト・コンダクターの金在恩氏 |