今回の大統領選挙は、金文洙候補が41・15%得票、李在明候補(当時、以下も同じ)が49・42%を得票した。4日早朝、金候補は選挙結果を認めると述べた。しかしながら、金候補の落選は間違いなく不正投票の結果である事が分かる。
金姫廷与党議員は選挙前日の支援演説で「李在明は城南市長の時に市をだまし、京畿道知事の時には道をだました。まさにこれから、国をだまし取ろうとしている盗人だ」と糾弾した。
金候補と李候補の対決は、「正々堂々と不正腐敗の対決」「清廉潔白と不正腐敗の対決」「正義と不義の対決」「正直と虚偽の対決」「善と悪の対決」などと言われた。だが、今回の大統領選挙では悪が善に勝つ異常の結果となった。
金候補が落選した理由は、組織的な不正選挙が原因だ。とくに期日前投票では全国の至る所で不正投票の証拠が発覚しており、中央選管委の委員長が謝罪した。
中央選管委は先月29~30日、期日前投票の際、郵便局の投票箱保管所で投票者数を水増しして投票箱に詰め込んだ。郵便局の投票箱保管所には、選挙事務員、投票監視員、警察が立ち入る禁止区域で、監視カメラはなかった。
高陽市選管委は1日、期日前投票箱の封印紙をはがし、偽の投票用紙を大量投入する場面がCCTVに撮影された。
このような詐欺投票用紙の投入が全国的に発生、あるいは李候補にあらかじめ記票が済まされている投票用紙も発見された。国民は、これ以上の不正選挙を許してはならない。
かつて、3・15不正選挙は4・19革命を呼び、5・16革命は不正選挙の主犯を死刑にした前例を教訓として、受け入れなければならない。
李候補は、自国の国民を識字率ゼロの無知な犬・豚かのように勘違いした。これまで歴代大統領を亡命、懲役、自殺などに追い込んできた国民の粘り強い反骨気質は、不正と不義を絶対に容認しない。刑務所の入口と共同墓地の碑石にある名言を肝に銘じなければなるまい。「昨日は俺の番!明日はお前の番!」。
李候補は内乱を誘発した主犯だが、むしろ内乱首魁の烙印で尹錫悦前大統領を覆い尽くした。
不正選挙によって国会を掌握、議会独裁を振りかざした。大統領室の予算を全額削減、前科4犯の自身を調査した検察総長・監査院長など30人の閣僚を弾劾、まさしく国政マヒを招いた内乱勢力の主犯だ。
さらに李候補は、最高裁が自らの公職選挙法違反容疑で2審の無罪判決を破棄、差し戻しの判決を下すと常識を超えた暴挙に乗り出した。共に民主党は、最高裁判長の弾劾を進めながら最高裁の判事10人を捜査すると脅迫したのだ。
その常識外れの弾劾独裁は中道支持層が背を向けるいい口実となり、ブーメランになった。
弾劾独裁で国政マヒを招いた李在明の危険性に対する不安感が広がり、民主党に背を向ける国民が急増した。
なお、李候補の側近の柳時敏氏は「金文洙夫人は高卒、工場労働者出身でありながらファーストレディになろうとしている」と女性差別・階級差別的な発言をし、女性たちの支持票が大規模離脱した。また、李候補の長男は高額の常習賭博とわいせつ書き込みによって支持票を大挙離脱させた。
さらに、全羅道に支持基盤が深い李洛淵(元共に民主党代表)が金候補への支持を宣言し、大きな力となった。李元総理は「3権掌握をもくろむ李在明独裁に反対し、24坪の庶民住宅で暮らす清廉な金候補を支持する」としていた。
また、ジム・ロジャース氏(証券投資の大手)が「私は李在明を支持したことがない、これは詐欺だ」と言ったことで李候補の偽りに背を向ける有権者が急増した。
「選挙の女王」と呼ばれた朴槿惠元大統領の支持声明に続き、黄教安元首相が大統領選候補を辞退、金候補支持を宣言していた。
それでも金候補が敗北を喫したのは、不正選挙による誤魔化しが再確認されるのみだ。
高永喆(コ・ヨンチョル)
拓殖大学客員教授、韓国統一振興院専任教授、元国防省分析官。著書に『国家情報戦略』(佐藤優共著、講談社)、『金正恩が脱北する日』(扶桑社)など。 |