最大野党「共に民主党」が、最高裁長官の弾劾を口実に司法への圧力を強めている。これは、李在明候補が公職選挙法違反で有罪判決を受けたことに対する反発で、同候補を犯罪者にしないための動きと見られている。しかし、法治国家において、政党が司法を意のままに操ろうとするのは、憲法違反に値する行為そのものだ。
(ソウル=李民晧)
李在明候補の裁判延期を求め圧力
共に民主党は、選挙期間中に予定された裁判の日程を大統領選後に延期するよう、最高裁に要求した。その後、裁判期日を大統領選挙後の6月18日に延期することが発表された。共に民主党は最高裁長官や判事の弾劾、国政調査や特別検事の実施など、司法に明らかな圧力を加えた。党内からは「司法クーデター」といった過激な主張が飛び出しているが、一般市民は司法を政党の都合で動かしていいとはみじんも考えていない。これを否定するということは、司法・立法・行政という三権分立を基盤とする憲法と国の原則を無視する行為に他ならない。
共に民主党は、尹錫悦前大統領の弾劾判決を「司法は憲法を遵守した」として歓迎していた。しかし最高裁で自党に不利な判決が下されたとたん「司法の判断は違憲」と非難した。まさにご都合主義のダブルスタンダードといえる。
「法の上の政治」は存在しない
盧武鉉元大統領は2007年9月11日、次のように語った。
「わが国の政治の病理の一つは、政治が法の上にあるという考えだ。政治的行為であるならば法律違反であっても許されるべきだ、とでも思っているのか。選挙に影響するからといって違法行為を許容すべきという理屈は理解できない。政治も候補者も、法の上には存在していない」
この言葉について、共に民主党はどう捉えているのだろうか。この問いに答えられる議員はどこにいるのだろうか。 |