韓国と日本のゲーム業界は独自の発展を遂げ、グローバル市場で競争力を維持している。世界のゲーム市場規模は調査会社によって異なるが、2025年は約2500億ドル前後と見られている。韓日のゲーム産業の現況、そして強みと課題を探った。
韓国と日本のゲーム業界はそれぞれ独自の進化を遂げ、グローバル市場での競争力を保持している。
韓国はモバイルゲームの基盤を維持しつつ、コンソール(家庭用ゲーム)市場やシングルプレイヤーゲームへの投資を拡大している。一方、日本は「Nintendo Switch 2」の登場によるコンソール需要の急増と、インディーゲームやeスポーツの成長で多様性を示している。世界のゲーム市場は約2500億ドル規模と見られており、今後も成長が続くと予測されている。
韓国のゲーム業界:中小の世界市場進出を後押し
韓国ゲーム市場は24年に約22~25兆ウォン規模で、世界第4位と見られている。モバイルゲームが売上げの59%を占めるが、25年はシングルプレイヤーやコンソールゲームの輸出が急増している。政府は今年から155億ウォンをコンソール開発支援に投じ、海外プラットフォームとの連携を強化。これにより、中小企業のグローバル市場進出を後押ししている。
高速な通信インフラ(5G普及率世界トップクラス)とスマートフォン普及率の高さが、モバイルゲームの開発・消費にプラスとなっている。また、アプリストア最適化や課金モデルのノウハウも強みで、グローバル市場での収益化に成功している。
半面、韓国ゲーム業界は「高齢化」が課題だ。主要ゲーム会社の経営陣は50代が中心。世代交代の遅れにより、開発者とゲーマーの溝は日ごとに広がっている。既存IPの続編や『リネージュW』『アイオン クラシック』など過去のヒット作のリメイクに依存する傾向が強まり、若年層向けの革新性が不足しているとの指摘がある。これによりゲームの主要消費層である10~20代は韓国製ゲームよりも海外ゲームを好む傾向が強まっている。
特に中国は若い開発者を前面に出し、韓国市場を急速に席巻している。
アプリ分析プラットフォームの「Mobile Index」によると、昨年12月時点で韓国の10代ユーザーがもっとも多く利用したゲームアプリ上位10本のうち、韓国製ゲームはわずか1本だった。
日本のゲーム業界:女性プレイヤーが多数占める
日本のゲーム市場規模は24年に約2兆2000億~2兆5000億円規模で、モバイルが売上げの主力となっている。25年は「Nintendo Switch 2」の発売でコンソール市場が急拡大し、バックワードコンパチビリティ対応(古い機器でも利用できるもの)タイトルが増加。市場の年平均成長率は5%と予測される。
ゲームユーザーに関して韓国との最大の違いは女性プレイヤー比率が日本のほうが圧倒的に高い。日本では男性より女性のほうが多く、65%に達するとのデータもある。韓国は逆に70%超が男性だ。日本のゲームはパズルやシミュレーション、かわいいキャラクターにフィーチャーしたものも多く、多様性に優れる。「Nintendo Switch」の『あつまれ どうぶつの森』は女性層に大ヒット。日本のゲーム企業は女性向けマーケティングを強化している。
韓日の連携と展望
韓国の若年層離れを補うため、日本の女性向けゲームやインディーゲームの知見を活用。韓国企業が日本のカジュアルゲームやパズルゲームの開発手法を学び、若年層向けの新しいIPを共同で創出する。韓国のモバイルゲーム技術と日本のコンソールゲーム開発力を融合させ、クロスプラットフォーム型のゲームを共同開発。日本のキャラクターデザインやストーリーテリングと組み合わせれば、グローバル市場での訴求力が高まる。
両国が世代交代や市場ニーズに対応しつつ、共同プロジェクトを推進することで世界市場で存在感を示すことができるだろう。 |