スポーツ交流は、青少年や市民が互いの文化を学び、友情を育む貴重な機会だ。韓日間では2002年の韓日共催サッカーW杯を契機に民間スポーツ交流が拡大した。今年は国交正常化60周年を迎え、さまざまなスポーツイベントが開催・予定されている。競技を通じて生まれる交流は、国境や言葉の壁を越え、未来の平和を築く礎となる。スポーツの力は新たな歴史を作る第一歩となるはずだ。
韓国と日本は、スポーツを通じて長年にわたり友好と親善を深めてきた。
特に02年の韓日共同開催のサッカー・ワールドカップを契機に幅広い年齢層でスポーツ交流が広がった。競技力向上だけでなく、相互理解と親睦を深めさまざまな地域、年齢、スポーツで行われてきた。
転機となったのは02年7月の韓日首脳会談において合意された「日韓共同未来プロジェクト」。サッカーW杯共催の成功とその精神を後世に長く語り継ぎ、遺産とするべく両国で締結した。03年1月1日から「青少年交流」「スポーツ交流」の拡大を目標とした同プロジェクトがスタート。スポーツ関連の公益法人などを中心に、民間の草の根交流に拡大していった。
今年、韓日国交正常化60周年を迎えることで、その動きが盛んになってきている。
公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO)は「第29回日韓スポーツ交流・成人交歓交流」を、24~30日にかけて韓国・全羅南道で開催した。このイベントは、韓日国交正常化60周年記念事業の一環として、両国の絆をさらに強固にする特別な機会として設けられ愛媛県と石川県から選出された日本選手団151人を派遣した。「日韓スポーツ交流・成人交歓交流」は日本と韓国の30~70歳のスポーツ愛好家が互いの国を訪問し、スポーツをはじめとした様々な交流を通じて文化や社会状況に対する相互理解を深め、両国の友好と親善を図ることを目的に、1997年に始まったもの。コロナ禍による中止を挟んで、2023年度から再開した。競技種目はバドミントン、テニスなど多岐にわたる。競技だけでなく、歓迎レセプションや文化体験も行われ、参加者は韓国の伝統や食文化に触れる貴重な機会となった。
JSPOは「スポーツという共通の文化を通じ、異文化理解や平和と友好を促進し、人と人との繋がりを生み出す意義や価値はいつの時代も変わらないものがあると考える。急速な少子高齢化や、健康長寿社会など、両国が共通で抱える社会課題などを踏まえつつ、今後も両国の生涯スポーツの発展と両国の友好と親善に寄与できるよう、時代にあったより良い交流の在り方を両国で考えながら、実施していきたいと思っている」と話した。
今年9月18~24日に愛媛県で開催される、日本最大のシニア世代総合スポーツ大会「日本スポーツマスターズ2025」には、韓国選手団が特別参加する。来年以降も継続して参加する。
今年に入り国交60周年記念スポーツイベントとしてすでに開催されたものもある。3月には日本ライフル射撃協会・大分県ライフル射撃協会共催の「日韓親善試合大分大会」が開かれ、パリオリンピックのメダリストを含む韓国選手団と日本選手による親善試合が行われた。一般社団法人日本高等学校・中学校ゴルフ連盟共催の「コマカップ第24回日韓対抗中学・高校生ゴルフ選手権」が奈良県で開催された。韓日の中学・高校トップジュニアゴルファーの交流を目的としたゴルフ選手権だ。
6月には「第29回国境マラソンIN対馬」(国境マラソンIN対馬実行委員会)、8月には「第29回日韓青少年夏季スポーツ交流」(日本スポーツ協会)が岐阜県と全北特別自治道で開催される。
スポーツは、言語や文化の違いを超えて人々をつなぐ普遍的な力を持っている。参加者がともに汗を流し、笑顔を交わす瞬間は、両国民の心に深い印象を残し、持続的な友好関係を築く基盤となるだろう。
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