社団法人「在日韓国人本国投資協会」(金泳佑会長)の奨学生らが、ソウルでワークショップに参加。在日韓国人記念館で先人の歴史に触れ、アイデンティティーを確認、未来への決意を固めた。
ぼくらのルーツは韓国
「祖父母が祖国のためにここまで尽くしていたとは想像もしていませんでした。白黒写真の中の顔が、どこか懐かしく感じられます。」
秋のはじめに差しかかった6日、在日韓国人本国投資協会の奨学生ワークショップに参加した在日同胞の大学生たちが、ソウルの随所を訪れた。奨学生37人を含む計45人の参加者はこの日、経済に関する学習から歴史探訪まで、さまざまな日程をこなし、自らのルーツを確認し、それぞれが未来を描いた。
午前、明洞の「新韓エクスペース」に集まった学生たちの表情には真剣さが漂っていた。新韓銀行の現職行員の協力を得て、ボイスフィッシング防止に関する学習や口座、アプリ開設を通じて、母国生活に必要な実践的知識を身につけた。その後、協会の広報大使として活動した先輩たちの発表を聞きながら絆を深める一方、KBS「街の一周」大阪編の映像を鑑賞し、大阪・鶴橋市場など日本に息づく韓国と、その中にある自らの姿を振り返った。
次に学生たちが向かったのは在日韓国人記念館だった。展示室に入った学生たちは、祖父母世代である在日同胞1世が歩んできた歴史の重みに、自然と厳粛な面持ちとなった。
6・25戦争当時、学生の身で祖国を守ろうと命を捧げた在日学徒義勇軍の物語、1960年代に祖国の近代化を担った九老工団建設で汗を流した足跡、在日同胞の100%民間資本によって新韓銀行を設立し経済発展に貢献した記録に至るまで…漠然としか知らなかった先人の献身をリアルに目の当たりにした学生たちは、展示物に目が釘付けになっていた。
ある学生は「在日同胞の歴史が自分の家族の物語だという事実に胸が熱くなった。今日の韓国があるのは、先人たちの血と汗があったからだということを忘れない」と感想を述べた。
ワークショップの感動は、学生それぞれが韓国行きを決心した理由にも重なっていた。協会広報大使たちの言葉は、在日同胞青年たちの決意をそのまま映し出していた。姜藝智(高麗大学 日語日文学科)さんは「韓国人としてのアイデンティティを訪ねて韓国の大学に進学しました。韓国の視点から日本を学び、韓日関係を深く理解したい」と語った。李細賓(延世大学 政治外交学部)さんも「在日韓国人として祖国で学んでみたいと思い韓国行きを決心しました。政治と外交を学び、両国関係に貢献したい」と抱負を語った。
その後、徳寿宮を歩きながら、朝鮮王朝と大韓帝国の歴史を学んだ。夕食を共にしながら1日の思いを分かち合う学生たちの表情には、自負心とともに未来へ向けた決意がにじんでいた。
在日韓国人本国投資協会は奨学事業を重点事業の一つに位置づけ、同胞の若者が誇りを持ち、韓国と日本、在日同胞社会、さらには世界をつなぐ人材へと成長できるよう、支援を惜しまず取り組んでいる。
(ソウル=李民晧)
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6日、ワークショップに参加した本国投資協会の奨学生たち |