2025年大阪・関西万博では、各国が自国の先端技術を披露する中、韓国館も「KOREA」の名称で出展している。韓国国営放送KBSの番組「町歩き(トンネハンバクィ)」チームとともに韓国館を訪問した。AIが音声を音楽と光に変換する展示や、荒廃した都市での生命の再生をテーマにした展示などを通じて、韓国の未来像を体験した。
見学最後に来場者の足を止めるのが、そびえる三つの塔「在日同胞記念ウォール(WALL)」だ。1970年の大阪万博では、母国・韓国が財政難で参加が難しかった際、在日同胞が率先して70万ドルを募り、韓国館建設を支援した。さらに、後援会の募金で9710人の韓国同胞を招待する事業も行われた。
今回の記念ウォールには、学徒義勇軍による6・25韓国戦争参戦、341人の在日同胞有志らによる82年の新韓銀行創立、88年ソウル五輪での100億円募金、IMF通貨危機での送金キャンペーンなど、国家的困難や重要行事のたびに在日同胞が支援の手を差し伸べてきた歴史が刻まれている。
記念ウォールは韓国語、日本語、英語で構成され、70年当時のEXPO後援会長だった李熙健氏が生前に設立した「李熙健韓日交流財団」の寄付により建設された。半世紀を経た万博で、報国精神を体現してきた1世たちの息吹を感じることができる。
KBS「町歩き(トンネハンバクィ)」日本編は、本紙が諮問・資料提供を行った韓日国交正常化60周年記念番組。21日に大阪編、28日に東京編が放送され、ユーチューブでも公開される。
(ソウル=李民晧)
故・李熙健 新韓銀行 創業者とKBSのEXPO「在日同胞記念ウォール」撮影風景