旧正月(ソルラル)を祝うイベントが各地で開催されている。2日、横浜コリアタウンとして知られる福富町では韓人会など各団体と協力し恒例の餅つき大会を開催、天候の悪い中でも約1000人が会場に立ち寄るにぎわいを見せた。政治に左右されない民間交流の固い地盤が地域に根づいている。
多文化共生の先駆けに
横浜コリアタウンとして知られる福富町国際通り商店街で2日、福富町町内会(平山正晴会長)が在日本神奈川県韓国人連合会(朴珉熙会長)と恒例の餅つき大会を開催、天候の悪い中でも約1000人が会場に立ち寄り、盛況となった。
つきたての餅とトックク、豚汁とチゲ、御神酒とマッコリが振る舞われ、寒空の下に集まった人たちの身と心を温めた。さまざまな韓食と日本食を同時に楽しむことが出来た。
会場では餅つきのデモンストレーションを行っただけでなく、旧正月を祝う祭祀を行う壇が設けられたほか、花朗演舞団によるサムルノリ演奏・カラオケ大会なども行われ(天候不良のためテコンドー演舞は中止)、商店街を通じて韓日の伝統文化交流を体験することが出来た。
■横浜から韓日親善を
開会式でははじめに、主催者あいさつを小島正男・福富町町内会副会長が述べ、神奈川韓人会の朴会長があいさつした。
続いて、来賓として参加した金玉彩・駐横浜大韓民国総領事館総領事、李富鉄・在日本大韓民国民団神奈川県地方本部団長が祝辞を述べた。俳優の岡崎二郎さんや、伊波俊之助・横浜市会議員など、多くの来賓が餅つき大会の開催を祝った。
■コリアタウンのアーチ
福富町国際通りには「KOREA TOWN」と書かれた大きなアーチが掲げられている。小島副会長によると、2023年6月の建て替えに際して新たに作られたもの。金田総合グループの金時鐘氏による支援があり、韓国にルーツを持つ人たちが多く在住している縁もあって、現在のかたちになったという。
小島副会長は、「天気を心配していたが、多くの人たちが集まってくれて嬉しかった。横浜市の別の町内に比しても、福富町は韓国との関係が深い。韓国と日本が仲良くやっていける町の取り組みをこれからも続けていきたい」と話した。
伊波市会議員は、「福富町は韓国にゆかりをもつ人が昔から多い地域。昨年末以来、韓国の政局が混乱している中で今回のイベントのような草の根交流が続けられることには、大きな意義があると考えている」と話した。
今回の餅つき大会には、コリアンに限らないさまざまな国籍の参加者の姿が目立った。多様性・多文化共生の先駆けのようなイベントと言えるだろう。
2日、開会式で鏡開きを行う。左から、小島正男・福富町町内会副会長、朴珉熙・在日本神奈川県韓国人連合会会長、金玉彩・駐横浜大韓民国総領事館総領事