「共通の価値観を確認すべき」
アジア自由民主連帯協議会 事務局長 三浦小太郎
今、日韓両国に必要なのは、何よりも1965年の日韓条約の原点に回帰することである。日韓条約において両国は、日韓両国の共通の歴史観などは求めていない。かつての日韓併合条約は「無効」であることのみを確認し、未来の両国の共通の価値観の構築を求めたのである。
両国の共通の価値観とは自由民主主義であり、北韓、中国という全体主義体制が存続する以上、現在でも両国にとって重要なものだ。日本が韓国を韓半島における唯一の正当な政権として認めたのは、自由民主主義による統一のみが韓半島の未来であるという政治的宣言である。仮に日本国が北韓との国交回復を目指すならば、国際条約である日韓条約に違反する行為となる。同時に、韓国が北韓との「平和共存」や「連邦制」を求めることは、現在の韓国憲法への根本的な違反行為であり、国家の正当性を失うことになる。この原則を確認することがいまほど重要な時はない。
「60周年を機に保守の協調を」
英雄の名誉を守り顕彰する会 会長 佐藤和夫
日韓国交正常化時の最大の脅威は共産主義のソ連だった。今はソ連は崩壊し、それに代わって中国の脅威が増大した。朝鮮と中国との関係は歴史上から従属と敵対の繰り返しだった。今回ウクライナに北韓が兵を送ったことはロシアと北韓の絆が強くなったことを表す。中国は中華思想を持ち続けており、北韓にとっては有難くない存在。ロシアとの結びつきは北韓にとっては両天秤にかけた外交になっている。また米国のネオコンが狙うアジアを第二のウクライナにする策謀に対しブレーキの役割を果たしている。
戒厳令の失敗は韓国の左翼を勢いづかせた。だがすぐには韓国が北韓のような全体主義国家にはならないだろう。北韓も韓国化を恐れているということもある。トランプ政権になっても中国・ロシアは米国と対峙するだろう、韓半島の動きがこの争いに火をつける可能性がある。日本にとっても容易ならざる事態。日韓国交正常化60周年を機に、日韓保守勢力がその正常化の目的を忘れることなくしっかりと手を携えていく必要がある。
「節目の年は尹政権のもとで」
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 代表理事 佐伯浩明
尹錫悦大統領の就任後、両国の関係改善は急速に進んだ。国交正常化60周年の節目は、尹大統領政権下で祝うことができればと願う。
尹大統領の非常事態宣言に始まる一連の混乱の真の原因は、野党「共に民主党」が多数派を握る国会運営にあると思う。大統領が出す人事と予算関係の法案はことごとく反対をされ、一つも政治を行えぬ現状はひどい事態だ。尹大統領は「倒閣」を狙う野党戦略の前に、非常事態宣言の策に打って出たと思うが、拙速だった。その背景には北韓の政治工作の影響も見過ごせない。青瓦台を始め、国会議員、検察、法務、労組、軍、メディアなどあらゆる分野に、北韓の政治工作は及んでいると見る。
朴槿惠大統領弾劾のときもそうだった。弾劾裁判をを引き受けた弁護団も語り、韓国に亡命した脱北者が日本で開いた人権集会でも「ロウソクデモの前に、北朝鮮からの暗号電波が飛んでいた」と証言している。